072_ex_2015.5
Tさんへのローコスト週末住宅案 _【積気の家】
主用途 : 週末住宅
規模等 : 木造 10.5㎡(屋根建築面積71㎡)
設計期間 : 2015年4月 ~ 2015年5月
設計
意匠:菊池甫
企画協力:山本展久(山本展久アトリエ荒川企画室)
地方都市の丘陵地に建てる住宅案、というより、住宅準備案。クライアントには、土地の購入資金の他には、ほとんど予算が無かった。いずれは、購入した土地に住宅を建てたいと考えていたが、資金が溜まるまでは、週末に立ち寄れる、仮設の小さな小屋のような物を造りたいと考えていた。「さしあたっては、雨風をしのげればよい」
そこで、建築可能範囲にあわせて屋根をかけ、文字通り雨風をしのげる大きな庭をつくりつつ、既存のコンクリート製カーポートの下部に壁を建てる事でその一部を内部空間化した。屋根はその後、住宅として利用しても良いし、一度取り壊して、基礎のみ再利用しても良い。
一過性の存在に、どこまで労力を費やせばよいか。もちろん、過大な物はつくれないが、未来ばかりでなく、今を充実させる事も大切だ。雨風をしのぐなら、一緒に敷地に吹く心地よい風を感じれるようにし、最低限でも、プライベートを守り自然を豊かさを感じられる、適切な居場所を用意する。今を楽しみながら、未来を想う事の出来る、現実と夢の両立を図れる住宅を目指した。
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