012_cp_2010.11
S市LRT駅デザインコンペ _【段々屋根でつくる駅舎】
入選
S造 延4300㎡
設計
意匠:菊池甫
企画協力:山本展久(山本展久アトリエ荒川企画室)

岡山市から古代吉備王国の遺跡群を貫くJR吉備線。JR吉備線は現在、LRT化の計画が進んでいます。今回のコンペでは、その計画の中核を成す新しいシンボルとなる駅舎の提案が求められました。

計画に当たって、次の2点の指針を設けました。
1.異なる目的で集まった利用者が、お互いの気配を感じ取りながら利用できる駅舎。
2.駅舎自体を大きな散策路、自由な広場として計画する。

私たちは、要綱を活かし、2つの指針を両立させるため、利便性に配慮して配置した箱の上に、敷地いっぱい広がる山のような大きな屋根を設け、建物全体を散策路として活用することができる駅舎を目指しました。

計画される駅には、たくさんの人々が集まります。駅利用者や観光客、買い物や散策を楽しむ周辺住民・・・。様々な目的を持って集まった人々が、それぞれに楽しみ方を見つけることが出来る建築。利便性の中にも、機能に縛られない自由な場を取り込んだ【段々屋根でつくる駅舎】を提案しました。
段々屋根
利便性に配慮して配置した各機能の上に、緩やかな段を持つ大きな屋根を設けました。屋根は、小高い丘のような広場としても機能します。
路面に直行した5つの箱を計画し、それぞれにプログラムを当てはめました。各機能を分散させることで、機能間の不用意な交錯を避けつつ、散策すれば他の機能や広場と一体的に利用できるゾーニングを目指しました。 
プログラムを詰め込んだ箱の間に、8つの異なる性質を持った広場を設けました。広場を介して、機能による動線とは異なる、散策路による動線を駅舎内に与え、建物全体を公園のように利用できる計画としました。
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