106_cp_2019.3
K村タイニーハウスデザインコンペ2019 _【クリヌキ_“からまりしろ”を楽しむ家】
木造 延55㎡ 地上2階建

設計

意匠:菊池甫
構造:清水良太(清水良太構造デザインスタジオ)
提案は、5×8mの小さな平面形状の切妻に、さらに小さな「クリヌキ」を空ける事によって構成される。「クリヌキ」は、家の中心的な役割を果たす外部空間であり、大きな玄関のような、 中庭・テラスのような、そして時にリビングのような・・・家族の団らんの中心を担う空間である。建築は、この「クリヌキ」を中心に、4人家族が住まうに必要なスペース、そして、 「クリヌキ」や空間化した階段によって作られた余白”からまりしろ”によって構成される。各空間は、断面的に「クリヌキ」を囲むよう、相互に近接し、一繋がりの回遊性を確保した状態で 関連づけられている。
階段部分は、ギャラリーのようにお気に入りの物を飾ったり、ロフトに上って外を眺めたり、 必要に応じて、テーブルやクローゼットを増設したり、家族の個性に応じた使い方が可能。偶発的にコミュ二ティやアクティビティが発生するきっかけとなるような場を、建築の随所に用意した。部屋というよりも、もう少し小さなスケール感で、しかしよりダイナミックに生活を楽しめる・・・ 家族の主体性が、家の使われ方にそのまま表れる、そんな建築を目指した。
『構造について』
耐震壁は、開口及び、内部空間の自由度を確保するにあたり、最も効率の良い配置とした。外壁4面に、半間の構造用合板を用いた耐震壁を配置し、耐震性を確保する計画を提案する。クリヌキによって、水平構面の連続性は分断されるが、中央にパスがあることによって、構面の連続性が確保され、地震時の安定性につながる。
『木組積による大階段』
提案の内部空間を象徴する階段は、シンプルな構成で、インテリアのテクスチャーとしても効果的な、集成材の組積造を用いた階段を採用する。階段の断面形状はアーチ状に曲率を持たせて(a ~ c)、軸力抵抗が支配的な荷重伝達効率のよい架構形式としている。
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