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Iさんへの住宅案 _【吹抜けでつくるワンルーム】

所在地 : 東京都中野区
主用途 : 個人住宅
規模等 : 鉄骨造 76㎡ 地上3階建+塔屋

設計期間 : 2012年6月 ~ 2012年8月

設計

意匠 : 菊池甫
企画協力 : 山本展久(山本展久アトリエ荒川企画室)
敷地は東京都中野区、中心街から少し歩いたところにある古い住宅地で、やや密集度が高く、未だ路地が多く残る場所にある。クライアントは、30代後半の親子3人、この地域に残る昔ながらの風景と利便性に共感して、この地に移り住む事を決めた。子どもが遊び、地域の交流空間でもある路地の楽しみを引き込める住宅にしたいという要望を得て、私たちは検討を始めた。
提案した建築は、内部に複数の大きな吹抜けを持つ3階建の住宅で、路地に面する北側の立面には、大きな開口が開けられている。空間は、大きなワンルームのような構成を求められたが、住宅密集地のため平面的に建築を広げる事は不可能、吹抜けを介した立体的なワンルームを目指す事となった。大きな吹抜けの積み重なりが、3層であっても同一の空間にいるかのように家族の距離を縮め、北側の開口により、各階に等しく路地の空気感を取りこむことが出来る。そんな住宅のあり方こそ、この場所と家族にはふさわしいのではないかと考えた。
都心部の住宅は、利便性に優れる一方、狭小な敷地という性格や、密集した近隣関係という課題に直面せざるを得ないのが現状だ。提案を通して、私たちは、その二つの課題を、ポジティブな要素に還元できるのではないかと思い、この【吹抜けでつくるワンルーム】を提案した。
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