
縁とは境界であり、また体感・空間・精神の繋がりを指す言葉でもあります。
縁側という概念は、そのポジティブな好例です。
ただし境界には負の側面も存在します。
例えば土地の境界は、隣人から国同士まで様々なレベルの争いの原因となります。
壁は、個人の繋がりを遮る物の比喩として用いられます。
持続可能な生態系・資源の限界はプラネタリーバウンダリー(地球境界)と呼ばれますが、世界の廃棄物の50%が建築由来と言われています。
正邪共に、大きな影響を及ぼす縁ですが、残念ながら最適な一般解は存在しません。
しかし少なくとも、現在・未来における建築的課題は、「縁」という言葉で体系化可能とは言えそうです。
指標を言語化し、最適で創造的な個別解を組み上げる事で、状況は好転します。
そこで菊池甫一級建築士事務所では、『その「縁」の在り方を建築する』事をコンセプトとして掲げる事としました。
一つの家具から住宅、オフィスや店舗、公共建築に都市計画に至るまで、そこに潜む縁に焦点を当て、顕在化・体系化する事で、人々の幸福に貢献したいと考えています。