【toy box】プロトタイプ住宅Ⅱ

- 【toy box】 prototype house Ⅱ –

(株)千金堂商品開発プロジェクト(2011 年8月)

敷地:-

用途:個人住宅

階数:2階建

延床面積:128㎡

構造:木造

 

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株式会社千金堂に提出したプロトタイプ住宅です。千金堂は、複数の工務店の集合によって成立している会社であり、構造・材料・防災・価格など、様々な観点から住宅づくりに取り組んでいます。またA-1000と呼ばれる独自の性能規格を持ち、品質の追及に熱心な会社でもあります。

私達は、千金堂が工務店ユニオン、つまり複数の工務店の集合によって成り立つ会社である点に注目しました。複数の工務店が集合しているということは、互いの技術をシェアし合っているという事でもあります。つまり、千金堂の特色は優れた品質にあるだけではなく、それらが比較可能・共有可能・そして伝達可能な知識であるという大きな価値を持っていることになります。しかし、その特色に直接働きかける住宅プロジェクトが当時の千金堂にはまだありませんでした。そこで私達は、『千金堂が保有する性能規格の特徴を最大限に活用しながらも既成概念に捉われない』住宅、ある意味で『家本来の在り方伝えるコミュニケーションツール』としての住宅、【toy box】提案しました。

●単純な四つ間と、無限の組み合わせと、

提案した【toy box】は、四つ間形式の総2 階建て住宅、1 フロアに4m×4m の正方形が4 つ分納まった単純な平面構成の住宅です。そこに大きな階段や浴室や玄関があったり、思い思いの部屋をつくったり・・・『部屋だけど広場のように、家だけどおもちゃのように住まいを楽しむ』それが提案の考え方です。クライアントの多様なライフスタイルに対応するため、住宅を躯体・立面・インテリアに分け、それぞれに対して多くのヴァリエーションを用意しました。何百、何千通りという組み合わせが可能な住宅です。クライアントが理想の住宅について考え、提案を通してイメージを膨らませる。家族が自分達の住まいのイメージについて楽しくでも真剣に話し合う。理想の住まいが実現されていく過程を、地場の工務店と楽しみながら探求していく。そうした家づくりのあり方を目指しました。

●アウトプット

千金堂の新仕様として用いるため、各種アウトプットを制作しました。

  • 基礎付図・プレカット図・・・A-1000の品質を継承したtoy boxの構造資料。
  • 各階平面図、矩計図・・・toy boxの構成(田の字型)を反映し、具体的に検討した意匠・構造図面。
  • 展開図(ベーシックタイプ)・建具表・・・インテリアヴァリエーションに対応した、内部仕様の納まり。
  • 立面図・・・toy boxにおける耐震性、直下率を考慮した開口部の参考例、また外部仕上げの考え方を示した資料。
  • 設備図・・・上記図面のコンセプトを反映するための設備図。
  • インテリアヴァリエーション・・・仕様までを検討したインテリアヴァリエーション

●単純な形⇒伝えやすい形⇒コミュニケーション出来る可能性

目の前に出来上がった単純な田の字型、分かりやすいその形をみて私達は、「分かりやすい形だから、人に伝えやすい提案が出来るんじゃないだろうか」と思いました。人に伝えやすい、というのは、提案が通りやすい、という意味だけではありません。もっと大きく、「toy boxをコミュニケーションツールとして使えるんじゃないだろうか」そのように考えました。例えば、インテリアヴァリエーションをたくさん作れば、お客さんにたくさんの選択肢を提案として用意できる、田の字型が決まっていれば千金堂全体でアイディアを共有できる。コミュニケーションを促す一つの契機は、価値観の共有にあると私達は考えています。

建築という、ある種専門的で難しい分野は、分かりにくさゆえに価値観の共有を阻んでしまいます。私達は、価値観の共有を、選択肢、という形で分かりやすく実現出来ないだろうかと考えました。伝わりやすさが、コミュニケーション発展の一つの契機になればと思いつつ提案を提出しました。

 

 

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