菊池甫一級建築士事務所

Office of Hajime Kikuchi

 

039_cp_2019.8

H珈琲店設計コンペ _【“開放的な洞窟”でつくる珈琲店】

RC造

延230㎡

設計

意匠:菊池甫(菊池甫一級建築士事務所)
構造:清水良太(清水良太構造デザインスタジオ)

 



対象となった珈琲店は、落ち着きと賑わい・重厚さとフレッシュな勢い・本格的な技術とフランクな雰囲気など、 一見すると相反する性質が見事に融合した店舗づくりを心掛けている。
一方では伝統を継承し、他方では新しさを探求するという二つの姿勢の両立。
そこで私たちは、この珈琲店が培ってきた蓄積や信頼を継承しつつも、 既存の郊外型店舗とは空間のアーキタイプ(元型)が全く異なる建築を提案する事にした。

提案は3つのカテナリーアーチを用いた、洞窟型の大空間により構成されている。
いわゆる「洞窟型」の利点は、 ダイナミックで印象的な外観、 広く高さがありつつも包まれるような空間性、など多岐に渡る。
そしてそれは、地域に貢献し、老若男女が訪れ、特徴的で入りたくなる外観作りを心掛けるという、この珈琲店の基本姿勢ともよく合流し、引き立てる事が可能な形態でもある。

アーキタイプ(元型)の確立は、必ずしも画一化や没個性とは一致しない。
この提案が各地で実施されたとき、そのそれぞれの店舗が、地域の拠り所であり、ある種のアイコンでもあり、誰もが気軽に訪れ、時間や思い出を蓄積していける場にもなって欲しい。
提案を通して、そうした状況が実現される建築の在り方を目指した。

 


 

 

 


 


 



 



 



 



 



 



 

 

カテナリーアーチとは、ある重さをひもにつけてぶら下げることによって得られる曲線。
重力に対して張力場で安定する懸垂曲線であり、逆転させると、圧縮場に対して安定するアーチが得られる。

方程式が確立し、 無数に描くことが出来るカテナリーアーチは、 非常に汎用性の高い曲線とも言える。

実際の周辺環境や方位・規模、実現したい状況に併せ、アイコン的な強さを保ったまま自由に平面や高さの調整が可能。

またカテナリーアーチは、自重、つまり鉛直方向の荷重に対しては安定性を有するが、アーチのライズによって生じるスラスト、及び地震や風の外乱による水平力に対しては、必ずしも有効ではない。
そこで、カテナリーアーチを支持する両端のカテナリーについては、脚部で250mm程度の厚さを確保する事とし、当該水平力に十分抵抗できる曲げ剛性を持たせている。

 



 



 

 

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